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第47回・ミシンの生地送り装置にはどんなものがあるの?

第45回第46回と、日本産業規格(JIS)による分類に従って、工業用ミシンにはどんなものがあるのかについてご紹介致しましたが、工業用ミシンは装置によって他にもいくつか種類分けされています。
今回は、その中でも特に重要な機構である、生地を送る装置についてお話ししてまいりたいと思います。

ミシンによる縫い工程において、生地(布)を送る装置が必要不可欠であることは言うまでもありません。
また生地の素材や種類、とりわけ生地の風合いや厚さ、あるいは縫い付ける場所などによっては、縫いづらくなったり見栄えが悪くなったりするだけでなく、最悪の場合は縫い目とびやワサビキズなどの縫い不良が発生するおそれもあります
そのため実際にミシンで生地を縫い付ける場合は、これらを考慮に入れて適切な装置を選ぶことが重要です。もちろん、ミシン自体の整備や生地送りの強弱調整も怠ってはなりません。

生地を送る装置の種類には、大きく次のものがあります。

  • 下送りミシン
    生地を押さえるための金具(以下押さえ金具)の下に、生地を送るためのギザギザの送り歯があり、これが動くことで縫い進められます。ちなみに縫い針は上下方向にのみ動きます。
    最も標準的な装置ですが、分厚い生地やすべりやすい生地などでは、縫いずれやパッカリング(縫いによって生じるシワ)が発生する場合があります
  • 針送りミシン
    押さえ金具の下に送り歯があるのは下送りミシンと共通ですが、こちらは縫い針を生地に貫通させた状態で送り歯と連動して前後に動くことで、下送りミシンの欠点を補完しています。コンパウンド送りとも呼ばれます。
  • 上下送りミシン
    生地を送るための送り歯が押さえ金具の上下にあるミシンで、これらによって上下の生地を挟み込むように送ります。なお縫い針は上下方向にのみ動きます。ミシン送りしにくい生地やずれやすい生地の縫製に適しています。
  • 総合送りミシン
    上下送りミシンと針送りミシン双方の機能を一体化させたミシンで、ユニゾン送りとも呼ばれます。こちらも生地送りしにくくずれやすい生地の縫製に適しています。
  • 差動(下)送りミシン
    押さえ金具の下に前後2種類の送り歯があり、それぞれの送り歯の送るスピードを調節することで幅広い縫い方ができるミシンです。
    生地は手前から奥に向かって送られ、手前の送り歯の送りスピードを遅くすると、生地が引っ張られた状態で縫い合わされるため、ニットなど伸縮性に富む生地では縫い目に伸縮性をもたせる伸ばし縫いができます。逆に手前の送り歯の送りスピードを速くすると、生地が縮まった状態で縫い合わされ、ギャザー縫いやいせ込み縫いができます。
  • 差動上下送りミシン
    押さえ金具の上下双方に前後2種類の送り歯があり、それぞれ生地を送るスピードが調節できます。そのため生地送りしにくくずれやすい生地であっても、伸ばし縫い・ギャザー縫い・いせ込み縫いができます

このように工業用ミシンには、使用する素材や生地の組織に応じて、さまざまなバリエーションが開発されているのです。

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