今回は、繊維や糸の品質に大きく関わる、繊維並びに糸の長さと太さの関係についてご紹介します。

繊維には、長繊維素材と短繊維素材があることは前回お話ししました通りです。

人工繊維や絹などの長繊維素材は繊維の長さが非常に長いため、一定の長さに区切ってその重さを測ることで繊維の太さを割り出すことができます。この方式を恒長式と呼び、国際単位である「デシテックス」または「デニール」などが単位として使われます。
恒長式は一定の長さに対する重さが問題となるため、デシテックスまたはデニールの値が大きくなるほど比例して太くなります

一方、それ以外の短繊維素材は、素材1本ずつの長さに限度があるため、長繊維素材のように一定の長さに区切って太さを測ることは困難です。そのため短繊維素材には、一定の重さに対する繊維の長さによって太さを割り出す方式が使われます。これを恒重式と呼び、単位は主に「番手」が使われます。
恒重式は一定の重さに対する長さが問題となるため、番手の値が大きくなるほど反比例して細くなります

では、何故繊維や糸の太さが品質に関わってくるのでしょうか。

短繊維素材の場合、番手の小さい繊維は繊維1本1本が短いため、たくさんの繊維を寄せ合わせないと糸になりません。また、よほど強く撚らないと糸が切れる可能性も高くなります
一方、番手の大きい繊維は繊維1本1本が長いため、繊維を多く寄せ合わせる必要もなく、細くて十分な強さの糸ができます。しかし寄せ合わせる繊維が少ない分繊維同士の摩擦力が小さくなるため、糸にした場合に強度が弱くなる傾向があります。それゆえ細い糸を作り出すのは技術的にも難易度が高く、それだけ品質も付加価値も高くなってきます。

中南米はカリブ海周辺で生産される海島綿、アメリカ大陸の高地で生産されるスーピマ綿、そしてエジプト綿などといった細くて長い繊維の綿が高品質である理由は、そこにあるのです。

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