今回からは次の章として、さまざまな繊維素材を利用して作られる「糸」、そして糸から作り出される「生地」がどのように作り出されるかに焦点を当ててご紹介していきたいと思います。

今更言うまでもありませんが、衣服はごく一部の材料を除いて、糸を使って作られます。
糸はニットや織物の生地になったり、生地同士を縫い合わせたり、あるいは装飾品を縫い付けたりと、さまざまな用途があります。

それでは、糸はどのようにして作られるのでしょうか。

前回までに何度か触れましたが、繊維は原料によってその長さが異なります。
綿や毛、麻といった天然繊維は、絹を除いて繊維の長さは短めです。麻の場合は繊維を採る部位によって長いものもありますが、それでもせいぜい2メートル程度で、絹のように延々と長い繊維は採れません。これらは短繊維(素材)ともステープルとも呼ばれています。
一方、人工繊維と絹は、それだけで糸になりうる程に繊維が長いため、長繊維(素材)ともフィラメントとも呼ばれています。但し長繊維素材であっても、用途によっては適宜任意の長さに切り分けて短繊維にすることもあります。

糸は、これらの素材を単独あるいは数種類使用し、そのまま使ったり引き揃えたり、短繊維の場合は繊維をできるだけ平行に並べて撚りをかけて作られます。後者は特に紡績(工程)と呼ばれ、そうして作られる糸は紡績糸(スパン糸)と呼ばれています。それぞれの素材の性質によって、いろいろな糸が作られるわけです。
撚りをかけるとは、まず繊維や糸を平行に引き揃え、テンションをかけつつ互いにらせん状にねじりながら巻き付かせることです。
撚りの方向によって、市販のネジと同じ撚り方の右撚り(S撚り)とその逆の左撚り(Z撚り)とがあります。単糸の場合は原則左撚りがかけられ、複数の糸を撚り合わせる場合は、力学的な偏りをなくすために、原則右撚りがかけられます。こうすることで、糸が容易に切れたり、生地が斜めに変形(斜行)したりすることを防ぎます。

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