今回は、レーヨンなどのからさらに化学的な方法でつくり出される「アセテート」について紹介致します。
あらかじめおことわりさせていただきますが、人工的に作られる人造繊維は有機化学と密接に関連しているため、この回以降しばらく有機化学用語がいろいろと出てまいります。何卒ご辛抱の程よろしくお願い致します。

さてアセテートは、レーヨンと同じくパルプやコットンリンターから抽出されるセルロースに由来し、食酢などに含まれる酢酸に反応させて作られます。
19世紀末に製造法が確立されましたが、1924年にアセテート用の染料が作り出されたことでようやく工業化にこぎつけました。
ちなみにアメリカでは、レーヨンよりもこのアセテートが多く生産されています。

製造法は、まず原料に酢酸を作用させて、そこで生成された物質に水を加えて加水分解させ、さらに洗浄・脱水・乾燥を経て白色の粉末状の「アセテート・フレーク」にします。
これをアセトンに溶かし、溶かした液を細い孔から高温の空気中に放出させ、乾燥・凝固させて作ります。
余談ですが、原料に酢酸を作用させた段階の物質を塩化メチレンなどに溶かして細い孔から高温の空気中に放出・乾燥させて凝固させると、トリアセテートが作られます。
このように、アセテートは化学的工程をいくつも経て作られるため、レーヨンなどの再生繊維に対して半合成繊維とも呼ばれています。

アセテートには、次の特徴があります。

  1. レーヨンよりも軽い。
  2. 水による伸縮が小さく、シワになりにくい。
  3. 絹のような光沢がある。
  4. 熱に強く、難燃性がある。

但し、人造繊維の中では摩擦などによる物理的な強度が弱いため、衣類としての用途は限定的で、ほとんどがタバコなどに詰められるフィルターに用いられます。
ただそのタバコも、昨今の健康志向などにより需要の大幅な減少が見込まれることから、今後は他の繊維と組み合わせて、難燃性のカーテンなどにシフトしていくと思われます。

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