第3回目では、編み機と編み針の種類についてお話しましたが、今回は、なぜ編み機でニットが出来るかについて焦点を当ててみたいと思います。

編み機は、数多くの細い編み針が線状もしくは筒状に装着され、これらを運動させることによって、糸を絡ませながら生地を編み上げていきます。それこそが、編み機がニットを生み出す原理に他ならないわけですが、ただ規則正しく動かすだけでは、天竺などの単純な編み方でしかできません。
そこで、編み針の運動にさまざまな変化を持たせることで、鹿の子やジャカードなどの編地が作られます。その役目を担うのが、「カム」と呼ばれるものです。
「カム」とは、編み針の下に取り付けられる突起の付いた台のことで、これが回転することで、編み針が初めの位置より上に来たり下に来たりし、それによって通常の編み方ではできなかった「タック」や「ウェルト」などの編み方もできるようになります。
さらに「カム」を下げると編み目が粗くなり、上げると編み目が細かくなります。
話を脱線させますが、繊維業界では、一定の幅や長さ当りどれだけ編み目があるかという密度のことを「度目(どもく)」と呼びます。この値が小さいほど編み目が疎らで粗く、逆に大きいほど編み目が密で細かくなります。
なお、編み機で編み目を密にすることを「度詰め」と呼ぶことがあります。
一方、「カム」の調節とは別に、編み機に取り付ける針を1本以上わざと抜いてしまうことで、編み目を飛ばす編み方もあります。「針抜き」や「テレコ」などの編地は、このようにして作られます。

編み機で生地を作る際には、度目(密度)調節はもちろん、ニット用の糸が途中で切れたりたるんだりしないよう、張力を一定にすることが重要です。さらに、生地を編む場合は、埃や糸くずなどが入り込まないように細心の注意を払う必要があります。もちろん、編み針に変形や折れなどがないか、編み機が正常に作動するかなどのメンテナンスも必要です。
これらを1つでも怠ると、「ネップ」・「とび込み」・「横段」・「斜行」など、生地由来の欠点や編みキズの原因になってしまいます。

良い生地を作るためには、最大限の注意と手間と労力が必要なのです。

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