前回まで染色の中でも主に浸染、つまり液体に浸して染める方法の染料などについてご紹介致しました。今回は、捺染、つまりプリントで使用する薬剤を紹介していきたいと思います。

まずは、捺染と浸染との違いについてご紹介致します。
浸染は、繊維や糸の段階でも、あるいは生地や製品の段階でも染色できますが、異なる色の糸を使ってボーダーやチェック柄・ジャカードなどある程度の柄模様をつくり出すことはできても、より複雑な模様をつくり出すには限界があります
一方の捺染は、基本的に生地や製品の段階にならないとできませんが、浸染よりも複雑かつ多様な模様や意匠などを自由に表すことができます

話が横道へそれましたが、捺染で使用される主な薬剤には以下のものがあります。

  • ピグメントレジンカラー
    主に捺染に使われる色素で、水や有機溶剤に溶けず、なおかつ繊維にもなじまない色素のことを顔料と呼びます。顔料とは、特定の光の波長を吸収することで色を出す不透明な物質の総称で、ペンキや絵の具と言った塗料などに広く使われています。ピグメントレジンカラーとは、その顔料を粉末状に分散させて、合成樹脂で繊維上に接着させるものです。
    基本的にどの素材にも使えますが、使用する顔料や樹脂によっては、水や有機溶剤への耐性が落ちたり、カチカチに固まったりする場合があります。
  • 捺染糊(なせんのり)
    染料を含む溶液に適当な粘り気と流動性を与え
    1)均一な染色効果
    2)シャープな模様付け
    3)十分な濃さを出す

    ために使用されます。
    繊維の素材やプリントの方法、染料の付け方に応じて糊となる物質を調整して使われます。
  • 染料溶解剤
    文字通り染料やその他の薬剤が溶けるのを助け、また分散状態をよくするために、捺染糊に加えられます。代表的なものには尿素(エマルジョン)があります。
  • 抜染剤(ばっせんざい)
    既に染色された部分の染料を化学反応させることで、色素を落とした状態にして模様を付けるために用いられる薬剤です。
  • 防染剤(ぼうせんざい)
    あらかじめ色素の付着を防ぐことで模様を付けるために用いられます。染料の浸透を防ぐために使われるロウ(蝋)やにかわ(膠)、化学反応による着色を防ぐために使われるpH(ペーハー)調整剤などの薬剤があります。これらをそれぞれ物理的防染剤・化学的防染剤と呼びます。
    ちなみにpHとは酸またはアルカリの度合いを示す指標で、7が中性、7未満では酸性、7を超えればアルカリ性となります。

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